2011/07/31

[感想文]多賀敏行『「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史』 


マッカーサーの「日本人のレベルは12歳の子供」、パキスタンのブット外相の「日本人はエコノミック・アニマル」、等の日本人を揶揄したと取られているような発言は、文脈と語彙を辿ってみれば、実は批判的な内容ではなく、むしろ日本人を弁護する、あるいは褒める意味の言葉だった。

という内容で、日本はもっと高く評価されてるんだよ、こういう自虐的な日本観ばかりを強調したがるマスコミはどうかしてるよ!というキャッチーな主張が、前書きを読む限り込められているようだ。
一部ネット界隈では受けそうな内容だが、残念ながら「エコノミック・アニマル」とか「ウサギ小屋」にしても、既に死語の範疇に入っている。

副題の「誤解と誤訳の近現代史」という観点は非常に面白い。
例えば日米開戦前、外務省から在米日本大使館へ送られていた暗号が解読されていたが、その翻訳が恣意的に行われ、日本には妥協も交渉する誠意も見られないと取られかねない文面として、アメリカの上層部に伝えられていたという内容だ。
仮にこの翻訳が原文のニュアンスを歪めずに伝えていたとして、それで開戦が回避されたかどうかは分からないが。

このような誤訳による意思疎通の齟齬が、過去の歴史やそして現在のビジネスや交渉のシーンで起こっていないはずがないという指摘は、非常に重要だと感じた。

また、現代にも通じる誤用として、「グローバルスタンダード」という言葉が和製英語であり、日本以外では通用しないという指摘も覚えておきたい。

2011/07/29

[感想文]藤沢武夫「松明は自分の手で」



経営に終わりはないに書かれていることがほとんどだが、字が大きくて値段が高い。目新しい情報はホンダで起こった産業スパイ事件の話と、チャーチルの「二次対戦回顧録」を繰り返し読んでいたエピソードくらい。

より情報の多い経営に終わりはないを読んだほうが良いと思う。

2011/07/24

[感想文]藤沢武夫「経営に終わりはない」



概要


本田宗一郎と共にホンダの興隆を支えた藤沢武夫の手記。
宗一郎との出会いから引退までの出来事が、藤沢の視点から綴られている。
若干時系列が前後する部分があるが、概ね語り口調で読みやすい。