2012/09/30

[感想文]ソーシャル・ネットワーク(原題:The Social Network)



「IT版アマデウス」

概要

ザッカーバーグがFacebookを立ち上げ、共同創設者だったエドゥアルド・サヴェリンと袂を分かつまでの話を、その後の裁判を通じた回想の形で描く。 監修に関わったサヴェリンの視点にやや偏っている、とは言われるものの概ね事実に沿っているようだ。

2012/09/29

[感想文]26世紀青年(原題: Idiocracy)



「出落ち反知性主義コメディ」

概要

何もかもが普通、という理由で選ばれた主人公がコールドスリープの実験台になって500年後の世界に蘇ったら、賢い人は子供を作らず、バカがいっぱい子孫を残した結果世の中のすべての人間がバカばっかりになっていたという映画。

人気のTV番組ではコメディアンがひたすらキンタマを強打するシーンが続き、人気映画ではひたすら誰かのケツが延々映り続け、観客は大爆笑。
大統領はプロレスラーのポルノスターで、畑には水の代わりにゲータレードが撒かれている。
その時代で最高の天才として国政の建て直しを任され奮闘する主人公を描く。

2012/09/27

[感想文]桑原晃弥「スティーブ・ジョブズ名語録」


本書の前書きでジョブズはエンジニアでもクリエイターでも天才経営者でもない、カリスマであると評している。
説得力のあるジョブズ評だけど、それって真似しちゃいかんのじゃないか…と思ってしまう。
この本の存在意義そのものを揺るがしかねない非常にキュートな前書きである。

さて、あまり気が長くないので語録の類は好きだが、ジョブズ人気に便乗した粗製乱造お手軽本っぽい雰囲気の書名とか出版社なので、本来なら手が伸びる類の本ではなかった。
とある場所で強烈なプッシュを受けてやむなく手に取ったが、よくまとまっている。
語録という形式のもうひとつのよいところは、人物よりもその思想に焦点があたるという点である。

以下、感想文でもジョブズどうこうよりその思想について書きたい。

感想文

いきなり戸惑うのが「即戦力など存在しない、だから育てるんだ」という言葉の浮きっぷりである。
他の「無能とは仕事をしない」とか「常にトップ人材に目をつける」という部分とえらくかけ離れていて、解釈に困る。
地方の中小企業勤務からみれば、業界トップとかA級の人材とか、自分も含めて想像上の生き物でしかないので、ああうんそりゃそうですよね、という感じ。即戦力なにそれ食えるの。
ピクサーについて触れた項目なので、クリエイティビティの要求される部分についての話のようであり、「人材に投資し、そこからアイデアを生み出す」という考え方に基づいたものであろう。
逆の見方をすれば、appleにスカリーを招いたように、マネジメント側の人間は外から即戦力を引っ張ってくれば良い、という考え方なのだろうか。
確かにゴーンCEOやJALの稲盛会長のようにマネジメント側の招聘による成功談はよくある。
会社のカラーや独自性は自分で育て上げなければそれは独自性とは呼べないわけで、それを余所から引っ張ってきたところでそれはイノベーションでは全然ないという考え方もできるのかもしれない。

「研究費の多寡など改革とは関係ない」これは良い。一流のプログラマとそうでないプログラマには圧倒的な生産性の差があるという話はよく聞くが、別にプログラマに限った話ではないと思う。どんな会社にもボンクラがいて、そいつらに仕事を割り振るのに四苦八苦するのもマネージャの苦しみのひとつであるが、決して研究開発部門に放り込んではならないと思った。失敗しても目先には大問題にならず目先の業績にも影響しないという点で、やりがちな話ではないだろうか。
「こいつボンクラだけど創造性を発揮せざるを得ない職務に就かせてみたら化けるんじゃないだろうか?」という希望的観測もあるかもしれない。

「前進し続けられたのは自分のやることを愛していたからだ」
愛してないことならやめちまえよ、それで仕事(居場所)がなくなるなら自分で作れと。
巨大な才能を持ちつつもこういう考え方をしない人間っているのだろうか、とふと思った。
才能があると信じて突っ走った結果転落死みたいなパターンは良く聞くけど、それも人生か。
まあ、たいていのことにはそれほど大した才能が要求されるわけではないだろう、と思う。

なんというか、ジョブズの業績って凡人が真似したら死ぬ系のアレが多くて危なっかしい。