2013/06/14

[感想文]萩原清文 「好きになる免疫学」



三行レビュー

かなり分かりやすい構成のよい入門書だとは思うが、サプレッサーT細胞のような現在は疑わしいとされているような内容もあり、2001年から10年異常が経過して最新の知見によって色々と変わってしまっているため、もう少し最新の情報に触れたほうがいいかもしれない。

感想

はしかなどは一度かかればほぼもう二度とかからないといわれるのに、どうして狂犬病の予防接種は毎年受けなければならないのか?そういった疑問を持ったのだが、免疫についてあまりちゃんと調べたことがなかったので読んでみた。
が、ワクチンの仕組みについてはあまり記述がなく、生ワクチンと不活化ワクチンの違いなども書かれていなかったのでちょっと肩透かし。
要は不活化ワクチンは効力が短く、生ワクチンや生きたウイルスに感染して獲得された免疫の効力は長いから、ということだが、そのメカニズムは分からなかった。

ワクチンについてより、リウマチや花粉症、そしてガンと免疫のかかわりについて触れられた項目が多いのだが、いかんせん10年以上前の本のため、基本的なことは学べるがどこまで今正しいのかよく分からないのが微妙だった。

最新版書かれないんですかね。




概要

免疫の仕組み

我々の細胞は個人を識別するためにクラスI MHC分子というタンパク質を持っている。免疫はこの分子を調べてその細胞が自分の一部であるか、自分の一部でないのかを判断する。細胞がウイルスに感染すると、クラスI MHC分子は変異するため、これが目印になる。

細胞性免疫

白血球の一種のマクロファージという細胞が、血液中の死んだ細胞や異物を取り込み、消化してヘルパーT細胞にに渡す。渡された抗原に異常が見つかれば、ヘルパーT細胞はサイトカインと呼ばれるタンパク質を分泌し、キラーT細胞を目覚めさせる。目覚めたキラーT細胞はウイルスに感染した細胞を変異したクラスI MHC分子を頼りに見つけ出し、殺す。またサイトカインによってマクロファージも活動を活発にし、ウイルスをより積極的に捕食するようになる。この仕組みが細胞性免疫である。

液性免疫

B細胞と呼ばれる白血球の中のリンパ球の一種もマクロファージと同じように、血液中の異物を取り込み消化し、ヘルパーT細胞に渡す。そしてヘルパーT細胞からサイトカインが分泌されると、抗体を作り始める。作られた抗体は抗原に対して射出され、抗原の毒性を中和したり、マクロファージに食べられやすくするための目印をつけたり、補体と呼ばれる血液中のタンパク質を活性化させ、抗体の働きを助けたり抗原を攻撃したりする。この仕組みが液性免疫である。
また、B細胞は抗原を記憶する能力があり、一度覚えた抗原に対してはすばやく抗体を作り出して対応することができる。いわゆる免疫の獲得とは、この働きのことをさす。

T細胞とB細胞の作られ方

T細胞のTとは胸腺(thymus)の頭文字であり、B細胞のBは骨髄(bone marrow)の頭文字である。
どちらも作られる場所の名前が冠される。骨髄中の造血幹細胞がその元となっており、胸線の中ではMHC分子によってテストが行われ、自分のMHC分子に強く反応する細胞やまったく反応しない細胞は次々と殺され、約3%の細胞だけが合格してT細胞として免疫系に組み込まれることになる。B細胞も骨髄内で同様の選別を受けるが、胸線ほど厳しいテストではないようだ。

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